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書籍(参考資料)
「マレー沖海戦」
基本情報
著者:須藤 朔 出版社:朝日ソノラマ 航空戦史シリーズ05 定価(税込):440円(1982年) 初版発行:1982年3月20日 日本図書コード ISBN-10:4257170050
書籍概要
大東亜戦争開戦劈頭に行われたマレー沖海戦の様子を描いた戦史である。
本書は、鹿屋航空隊の士官搭乗員(第一中隊第二小隊長)として、昭和16年(1941年)12月10日、実際にマレー沖海戦に参加した須藤朔中尉(当時)が戦後に著した同海戦の詳細な記録である。 マレー沖海戦は、大東亜戦争海戦直後の昭和16年(1941年)12月10日、日本海軍陸攻隊と英海軍東洋艦隊との間に戦われた航空機と艦艇による海戦であった。この海戦の結果、英海軍戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」「レパルス」の2隻が沈没、日本海軍は陸攻3機を失った。これは、世界で初めて洋上で作戦行動中の戦艦が航空機に撃沈された海戦となり、以後、海戦に於ける航空機の重要性が高まるきっかけとなった。
本章は、大東亜戦争開戦直前の英領マレー半島やシンガポールの様子や、昭和16年(1941年)12月9日に英海軍戦艦2隻が発見され、翌10日のマレー沖海戦によって撃沈されるまでの2日間の出来事が、ほぼ時系列に沿って詳細に述べられている。 プロローグでは、昭和16年(1941年)12月9日15時15分(日本時間)、マレー半島東方海上に於いて日本海軍の「伊号第六十五潜水艦」が英海軍戦艦2隻を発見したときの模様が紹介されている。この発見が、マレー沖海戦の幕開けとなった。 第1章から第3章では、大東亜戦争開戦前の英領マレー半島やシンガポールに於ける英軍兵力の配備状況や、開戦直前に派遣された英海軍戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」「レパルス」以下の東洋艦隊の状況、更には、昭和16年(1941年)12月4日に海南島三亜を出向した日本軍のマレー半島攻略部隊の状況などが説明されている。 第4章から第5章では、大東亜戦争開戦直後の昭和16年(1941年)12月8日20時25分(日本時間)にシンガポールのセレター軍港を出港した英海軍のZ部隊(「プリンス・オブ・ウェールズ」「レパルス」・駆逐艦3隻)の状況と、翌9日に日本海軍の「伊六五潜」がZ部隊を発見した後の日本軍の状況、即ち、海軍陸攻隊及び南遣艦隊の行動が紹介されている。結果として12月9日は、日本軍と英軍の戦闘は発生せず、日本軍の同士討ち寸前の状況が発生した。 ここまでが海戦前日の状況である。尚、次章に進む前に、マレー沖海戦の立役者となった日本海軍の「九六式陸上攻撃機」「一式陸上攻撃機」に関する解説がある。 第6章から第7章では、翌12月10日、海戦当日の朝からの様子が描かれている。早朝、「伊五八潜」が再び英艦隊を発見したものの、夜明け前に触接を失った。そして朝になると仏印南部の日本軍基地から索敵の陸攻が離陸、その後に各航空隊の陸攻が離陸を開始した。本章では、この時の彼我の位置関係や、陸攻隊の編成や武装、発進の時刻や状況などが紹介されている。 第8章では、10日11時45分に元山航空隊の三番索敵機(基調:帆足正音予備少尉)が英艦隊を発見した時の様子が描かれている。この発見により、既に発進していた各航空隊の陸攻が英艦隊に向けて変針、いよいよ海戦が開始されることになった。 第9章から第13章では、陸攻隊による英戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」「レパルス」に対する攻撃の様子が描かれている。本章では、美幌空白井中隊(「九六式陸攻」8機・爆装)に始まり、元山空の石原中隊(「九六式陸攻」9機・雷装)と高井中隊(「九六式陸攻」7機・雷装)、美幌空高橋中隊(「九六式陸攻」8機・雷装)、鹿屋空(「一式陸攻」26機・雷装)、美幌空の太平中隊(「九六式陸攻」9機・爆装)と武田中隊(「九六式陸攻」8機・爆装)による英戦艦への爆撃・雷撃の様子が詳細に紹介されている。尚、元山空二階堂中隊(「九六式陸攻」9機・爆装)は別行動の英駆逐艦「テネドス」に投弾をした。12時45分から開始された陸攻隊の攻撃によって、英戦艦2隻は約2時間後に沈没、ここに史上初の航空機と戦艦による海戦は航空機の勝利によって幕を閉じた。 エピローグでは、上空から目撃された英戦艦2隻の沈没の様子、攻撃終了後に基地に向かう陸攻搭乗員の様子などが描かれている。また、著者の指揮する鹿屋空第一中隊の第三小隊一番機(機長:西川兵曹)が被弾の為に不時着し、著者以下が救助に向かう様子が紹介されている。 マレー沖海戦の回顧の章では当時の各種記録や戦後の資料によって海戦の評価を試みている。本章では、海戦の参加兵力、戦闘の推移、雷爆撃の命中率や効果、彼我の損害などが詳細に紹介され、以後の戦闘に及ぼした影響に関して述べられている。尚、この章は山本親雄元海軍少将によって書かれている。 最後の章では、戦後、著者が自身の体験を基に大東亜戦争を振り返っている。その中では、士官搭乗員
目次 (朝日ソノラマ 航空戦史シリーズ05)
プロローグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7P 1 イギリス東洋艦隊・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11P 2 不沈戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」・・・・・・・・・・17P 3 開戦前夜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31P 4 Z部隊、シンガポールを出撃 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・61P 5 出撃命令・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・69P 九六式・一式陸上攻撃機について・・・・・・・・・・・・・82P 6 十二月十日、〇四三五、われ触接を失う・・・・・・・・89P 7 攻撃隊出動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・101P 8 一一四五、敵主力見ゆ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・109P 9 第一撃、水平爆撃・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・119P 10 雷撃、「プリンス・オブ・ウェールズ」に致命傷・・・・131P 11 雷撃隊、奮戦す ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・143P 12 突撃せよ!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・153P 13 不沈戦艦、波間に消ゆ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・189P エピローグ/翼の凱歌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・209P マレー沖海戦の回顧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・227P マレー沖海戦の経過 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・238P 参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・240P 戦後に想う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・241P
関連書籍
「伊58潜帰投せり」
関連項目
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