各地に遺される戦争遺跡
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兵器・装備品
日本陸軍・日本海軍 米陸軍・米海軍・米海兵隊
書籍(参考資料)
「空母瑞鶴日米機動部隊最後の戦い」
基本情報
空母「瑞鶴」
著者:神野 正美 出版社:朝日ソノラマ 新戦史シリーズ72 定価(税込):980円(1995年) 初版発行:1995年4月 日本図書コード ISBN-10:4257172924 ISBN-13:9784257172925
空母瑞鶴
著者:神野 正美 出版社:光人社 定価(税別):2300円(2001年) 初版発行:2001年11月 日本図書コード ISBN-10:4769810261 ISBN-13:9784769810261
空母瑞鶴 日米機動部隊最後の戦い
著者:神野 正美 出版社:光人社 光人社NF文庫 定価(税別):1000円(2008年) 初版発行:2008年11月17日 日本図書コード ISBN-10:4769825889 ISBN-13:9784769825883
書籍概要
日本海軍の航空母艦「瑞鶴」を中心として、捷一号作戦に於けるエンガノ岬沖海戦の一部始終を描いた戦記である。
本書は、昭和19年(1944年)10月24日・25日のエンガノ岬沖海戦に於ける、空母「瑞鶴」の戦闘行動とその最期の様子を描いている。 また、この時、「瑞鶴」と行動を共にした、空母「瑞鳳」「千歳」「千代田」・戦艦「伊勢」「日向」・軽巡洋艦「多摩」「五十鈴」「大淀」・駆逐艦「桑」「桐」「杉」「槇」「初月」「秋月」「若月」「霜月」の戦闘行動に関しても紹介されており、エンガノ岬沖海戦での第一機動艦隊の行動の様子を知る事が出来る。
本書は、日米の戦闘記録等の各種資料と生存者の証言を元に、「瑞鶴」の最期の姿が詳細に描かれている。 序章では、昭和19年(1944年)6月19日・20日のマリアナ沖海戦に於ける、「瑞鶴」の最後の、そして事実上、日本海軍最後の母艦雷撃隊の様子が紹介され、この時の雷撃隊の編成表も巻末に収録されている。 第一章では、マリアナ沖海戦後、呉軍港に於ける各種工事、特に対空火器や電探・水中聴音機増設の様子が詳細に紹介されている。また、各種訓練の様子も紹介されており、非常に興味深い。後半では、昭和19年(1944年)10月12日〜16日に行われた台湾沖航空戦に関する記述があり、この時に攻撃に参加した陸海軍の飛行隊についても詳細に記載されている。 第二章では、昭和19年(1944年)10月17日、フィリピン諸島レイテ島への米軍来襲によって日本海軍の捷一号作戦が発動され、その結果、「瑞鶴」以下の第一機動艦隊に出撃命令が下るまでの経緯と、10月19日まで行われた出撃に際しての各種準備の様子、特に、この時に搭載した艦載機に関して詳細に記載されている。 第三章では、10月20日の第一機動艦隊の出撃の様子が紹介され、空母4隻(「瑞鶴」「瑞鳳」「千歳」「千代田」)に搭載された母艦飛行隊の詳細や、出撃後の艦隊陣形などに関して記載されている。 第四章では、昭和19年(1944年)10月21日〜24日にかけて行われたフィリピン諸島周辺に於ける一連の戦闘が紹介されている。即ち、内地を出撃した第一機動部隊・第二遊撃隊とリンガ泊地を出撃した第一遊撃部隊の作戦行動、台湾・フィリピン諸島に展開した陸海軍航空部隊の作戦行動であるが、特に10月24日、米機動部隊に対して行われた、航空攻撃の様子が詳細に記載されている。特に、この日、第一機動艦隊を発艦した艦上機は事実上日本海軍最後の母艦攻撃隊となった。 第五章〜第八章では、10月24日に引き続き行われた25日の戦闘の詳細、特に第一機動艦隊の作戦行動が紹介されている。その中では、米海軍の戦闘記録も交え、空母4隻(「瑞鶴」「瑞鳳」「千歳」「千代田」)の最期の様子や、護衛の戦艦・軽巡洋艦・駆逐艦の奮闘や最期の様子、生存者救出の様子、残存艦艇の行動などが詳細に記載されている。 第九章では、残存艦艇が内地に帰還した後、生存者のその後の行動に関して紹介されている。 第十章では、駆逐艦「初月」の内火艇が、生存者を救助した後に取り残され、その後に台湾に漂着するまでの顛末が紹介されている。この事は、一般的にはあまり知られておらず、興味深い内容と言えるだろう。
本書は、現存している日本海軍の戦闘詳報や各種記録、生存者や遺族の証言、更には、米海軍の戦闘記録や出版物など、詳細な取材や多岐に渡る各種情報を駆使して描かれた、非常に詳細な戦闘記録である。 本書は表題のとおり、エンガノ岬沖海戦に於ける空母「瑞鶴」の最後の作戦行動を中心として描かれているが、「瑞鶴」と行動を共にした空母「瑞鳳」「千歳」「千代田」・軽巡洋艦「多摩」・駆逐艦「秋月」「初月」についても詳細に記述されている。更に、「瑞鶴」以下の第一機動艦隊(小澤艦隊)の出撃に大きな影響を与えた台湾沖航空戦に関してや、エンガノ岬沖海戦と共に比島沖海戦を構成する一連の海空戦、即ち、シブヤン海やサマール島沖での第一遊撃部隊(栗田艦隊)の戦闘、スリガオ海峡に於ける西村艦隊の戦闘、神風特別攻撃隊をはじめとする基地航空隊による米艦隊攻撃の様子なども紹介されており、フィリピン諸島周辺に展開された連合艦隊最後の艦隊作戦、捷一号作戦の様子が詳細に描かれている。
本書は、昭和19年(1944年)10月24日・25日、フィリピン諸島ルソン島北東端のエンガノ岬沖で行われた海戦(米軍呼称:エンガノ岬沖海戦)の様子と、その時の空母「瑞鶴」の行動が詳細に記述され。更に、「瑞鶴」と行動を共にした第一機動艦隊の各艦艇や母艦飛行隊に関しても詳細な記述がある。 本書は、空母「瑞鶴」の最期の姿を知る事が出来る貴重な資料である。
目次 (光人社 光人社NF文庫)
序章 最後の母艦雷撃隊 マリアナ沖の落日・・・・・・・21P 武運の空母の戦歴・・・・・・・31P 第一章 台湾沖航空戦 浮沈対策と滞空火器増設・・・・・・・35P 電探と水中聴音機の増設・・・・・・・38P 補充兵乗艦・・・・・・・41P 母艦航空隊再編・・・・・・・42P 猛訓練始まる・・・・・・・44P 撮影隊来艦・・・・・・・48P 「捷号作戦」とT攻撃部隊・・・・・・・52P 連合艦隊司令部上陸へ・・・・・・・55P 近づく嵐・・・・・・・56P 南西諸島に米機動部隊来襲・・・・・・・58P 攻撃隊沖縄へ・・・・・・・60P 小禄基地の蛍・・・・・・・62P 初陣、陸軍雷撃隊・・・・・・・63P 基地航空部隊台湾沖に殺到・・・・・・・65P T攻撃部隊の戦果・・・・・・・68P 第二遊撃部隊の南下・・・・・・・70P 幻の大戦果・・・・・・・73P 「瑞鶴」整備完了・・・・・・・75P 第二章 捷一号作戦発動 捷一号作戦警戒・・・・・・・77P 機動部隊司令部の怒り・・・・・・・79P 機動部隊出撃準備完了・・・・・・・81P 捷一号作戦発動・・・・・・・86P 報道班員の乗艦・・・・・・・87P 母艦航空部隊の乗艦・・・・・・・88P 補給部隊編成さる・・・・・・・94P 作戦会議・・・・・・・96P 航空機の搭載・・・・・・・98P 出撃前夜・・・・・・・101P 第三章 機動部隊出撃 出撃の朝・・・・・・・105P 最後の航空機搭載・・・・・・・107P 「ゴキゲンヨウ、サヨウナラ」・・・・・・・110P 潜水艦探知・・・・・・・115P 祖国との決別・・・・・・・118P 第四章 攻撃隊発進 基地航空部隊比島へ・・・・・・・121P 補給部隊の出撃・・・・・・・123P 味方飛行艇との遭遇・・・・・・・124P 洋上補給・・・・・・・126P 航空総攻撃前日・・・・・・・129P 索敵機発進・・・・・・・133P 敵機動部隊発見・・・・・・・137P 攻撃隊の発艦準備・・・・・・・139P 基地航空部隊の攻撃・・・・・・・141P Z旗揚がる・・・・・・・143P 最後の攻撃隊・・・・・・・148P 米戦闘機との交戦・・・・・・・151P 触接機の奮闘・・・・・・・153P 戦爆隊突撃・・・・・・・154P 航空攻撃の結果・・・・・・・163P 攻撃隊残存機比島へ・・・・・・・165P 前衛を分離・・・・・・・166P 米索敵機出現・・・・・・・168P 米索敵機の記録・・・・・・・172P 「プリンストン」沈没・・・・・・・175P 栗田艦隊の反転と電信不達・・・・・・・176P 暗号士の証言・・・・・・・178P 機動部隊反転・・・・・・・180P 米艦隊に紛れ込んだ駆逐艦・・・・・・・183P 第五章 米攻撃隊来襲 夜間索敵機の電子戦・・・・・・・189P スリガオ海峡の悲劇・・・・・・・193P 夜明け・・・・・・・195P 不時着機相つぐ・・・・・・・196P 決戦準備・・・・・・・198P 前衛部隊米機を探知・・・・・・・200P 米索敵機と駆逐艦の戦闘・・・・・・・203P 電探、敵大編隊を探知・・・・・・・206P 栗田部隊と米護衛空母の戦い・・・・・・・207P 最後の迎撃戦闘機発艦・・・・・・・210P 戦闘開始・・・・・・・212P 対空戦闘の戦法・・・・・・・215P 「瑞鳳」被弾・・・・・・・217P 米第一次攻撃隊の記録・・・・・・・218P 「千歳」の最期・・・・・・・223P 「瑞鶴」損傷す・・・・・・・228P 魚雷命中・・・・・・・229P 高角砲、墳進砲の戦い・・・・・・・32P 機銃群の戦い・・・・・・・234P 整備員らの戦い・・・・・・・236P 不発魚雷・・・・・・・238P 第一次攻撃の被害・・・・・・・240P 「ワレ交戦中」・・・・・・・241P 必死の防水・消化作業・・・・・・・243P 焦熱地獄で戦う機関科・・・・・・・244P 送信機の電源途絶・・・・・・・247P 応急空中線展張・・・・・・・248P 「秋月」轟沈・・・・・・・249P 第二次空襲・・・・・・・254P 米雷撃機パイロットの証言・・・・・・・258P 「千代田」被弾・・・・・・・260P 「瑞鶴」洋上漂泊・・・・・・・262P 旗艦変更・・・・・・・264P 司令部を見送る・・・・・・・268P ごった返す医務室・・・・・・・271P 「千歳」乗員の救助・・・・・・・272P 海上の大合唱・・・・・・・274P 「TF38はいずこにありや」・・・・・・・276P 謎の「ヤキ一カ」電・・・・・・・278P 空襲の合間に・・・・・・・280P 米戦闘機隊来襲・・・・・・・284P 第六章 「瑞鶴」の最期 第三次空襲はじまる・・・・・・・291P 米艦爆隊の記録・・・・・・・296P 艦・人員に被害続出・・・・・・・298P 機関停止・・・・・・・302P 米雷撃隊の記録・・・・・・・305P 対空砲火沈黙す・・・・・・・308P 傾斜復元せず・・・・・・・312P 総員発着甲板に上がれ・・・・・・・314P 総員退艦せよ・・・・・・・319P それぞれの訣別・・・・・・・321P 形見の軍艦旗・・・・・・・330P 艦底からの脱出・・・・・・・332P 重油の海へ・・・・・・・338P 米機が見た「瑞鶴」の最期・・・・・・・344P 証言―沈みゆく「瑞鶴」・・・・・・・346P 護衛艦からの見送り・・・・・・・358P 第七章 空襲下の溺者救助 第四次空襲・・・・・・・361P 「瑞鳳」の最期・・・・・・・364P 「千代田」救援・・・・・・・368P 「千代田」撃沈さる・・・・・・・373P 「瑞鳳」の乗員救助・・・・・・・381P 「瑞鶴」乗員の救助はじまる・・・・・・・384P 遭難者も救助を手伝う・・・・・・・392P 最後の米攻撃隊・・・・・・・395P 「霜月」の「瑞鶴」乗員救助・・・・・・・399P 日没―救助作業つづく・・・・・・・401P 「五十鈴」再反転・・・・・・・410P 第八章 エンガノ岬沖海戦 米艦隊現る・・・・・・・415P 我敵水上艦艇ト交戦中・・・・・・・423P 「初月」還らず・・・・・・・430P 「反転、敵ヲ撃滅セントス」・・・・・・・447P 「若月」再び戦場へ・・・・・・・450P 最後の悲劇・・・・・・・453P 第九章 機動部隊解散 水葬礼・・・・・・・457P 奄美の別れ・・・・・・・460P 再出撃命令・・・・・・・464P 「若月」の最期・・・・・・・466P 三ッ子島・・・・・・・469P 新任地への旅立ち・・・・・・・474P 機動部隊司令部の戦訓・・・・・・・476P 小澤長官の解散の辞・・・・・・・480P 思い出の「瑞鶴」・・・・・・・481P 思わぬ生存者・・・・・・・485P 第十章 「初月」内火艇漂流記 紅頭嶼・・・・・・・489P 取り残された内火艇・・・・・・・492P 悲しき別れ・・・・・・・497P 漂流の記・・・・・・・500P 終章 瑞鶴仙影・・・・・・・509P あとがきにかえて・・・・・・・521P 資料1 空母「瑞鶴」人員配置表(昭和19年10月20日当時)・・・・・・・539P 資料2 空母「瑞鶴」艦型図および要目・・・・・・・545P 資料3 エンガノ岬沖海戦の日米機動部隊編成表・・・・・・・ 資料4 小澤機動部隊行動図・・・・・・・552P 資料5 航空部隊編成表・・・・・・・553P 資料6 小澤機動部隊攻撃における米海軍戦没搭乗員・機体損失リスト・・・・・・・564P 文庫版のあとがき・・・・・・・569P 参考・引用文献・・・・・・・533P 写真・資料提供、協力者・・・・・・・535P
関連書籍
「栗田艦隊 レイテ沖海戦秘録」 ・・・・・・・・・・・・・・・戦艦「伊勢」「日向」
「戦艦入門 動く大要塞徹底研究」 ・・・・・・・・・・・・・戦艦「伊勢」「日向」 「帝国海軍 空母大全」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・空母「瑞鶴」「瑞鳳」「千歳」「千代田」 「日本空母と艦載機のすべて」 ・・・・・・・・・・・・・・・・空母「瑞鶴」「瑞鳳」「千歳」「千代田」
関連項目
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